| 入院中の恋愛禁止 事務管理部長 下司孝之 カップル禁止の原則 入院中、アルコール依存症の患者さん同士の「恋愛」は禁止されています。 こんな野暮なことをいうのにはもっともな理由があるからです。 入院には目的があるはずです。入院の目標は断酒ですが、「恋愛」なぞをしていては過去、例外なしに百%成し遂げることが出来ないのが現実です。 入院は自分の為です、その時期相手の為に断酒は出来ません。もう一人の為にかまうことなぞ自殺行為、それはまさしくアルコール依存症そのもの、恋愛なぞではなく、共依存の世界です。 「恋愛」の結果として死亡がほとんどのカップルのどちらかに訪れます。以前は女性の方が多かったのですが最近は男性も亡くなりますし、心中もあります。死なないまでもうまくいった話しはありません。 入院生活に元々そんなゆとりはないからです。 沢山のお金と限られた時間、大切な自分の人生をかけての入院です。このような「恋愛」騒ぎにはご家族の賛成が得られるはずもありません。とてもがっかりするでしょうね。 足下の固まっていない同士の「恋愛」は成立するはずもありません。お二人がアルコール依存症の場合、断酒して3年、5年なりして落ち着いてから考えるのが常識です。 どちらかがストレスを感じれば危険は一人のときの2倍です。 入院中の段階では恋愛とも違うなにか、おそらく「恋愛依存症」でしょう。 目的にかなわない即席の「恋愛」行為は人生から逃げているだけで真正面から断酒をやっていこうという態度とは違います。 それではどうすればいいのか、それはカップルにならないことです。断酒会でも必要に迫られて女性酒害者の家を訪問する時、必ず二人組で行く事が礼儀です。異性の車送迎にも配慮が入りますね。 一旦「恋愛」になると手がつけられないので、まずはカップルにならないことです。 院内でカップルになりますと「二人だけの世界」が出来て仲間から浮き上がります。 院内では集団精神療法が大事ですが、気まずい空気が流れます。ですから恋愛の禁止は、前段階のカップルの禁止が必要です。 それではもし恋愛になったらどうしたらいいのでしょうか、それは一人か双方かが退院をすればいいだけです。この場合、病院の責任はなく、まったくの自己責任です。 くり返しますが、アルコール依存症治療に調子のいい「恋愛療法」はありません。 |
| 2004.12.15 |