映画・映画・映画                  2002/12/04

                      下司病院 看護部長   下司政代
バタバタの毎日で1日48時間になってもまだ足らないと思いながら、映画に行く時間はひねり出している。

最近の数本のなかの一本で、アメリカの公民権運動の頃を背景にアメリカ南部の高校のアメリカンフットボール部の生徒達と監督達を通して描かれた人種問題「タイタンズを忘れない」(この映画は事実に基づいているそうである)は見終わっても爽やかさの残る作品でした。

新人探しも映画を見る楽しみの一つにしている私としては、カリフォルニアから転校してきた生徒を演じた若い俳優の次の作品を期待できるというおまけつきの一本でした。



映画・ドラマの中の酒     下司政代

映画の中のお酒 2001年度オスカー賞 TRUE ROMANCE
「冬のソナタ」と酒 韓国ドラマと酒【2】 韓国ドラマと酒【3】
韓国ドラマと酒【4】 韓国ドラマと酒【5】 韓国ドラマと酒【6】
韓国ドラマと酒【7】 韓国ドラマと酒【8】 韓国ドラマと酒【9】
韓国ドラマと酒【10】 韓国ドラマと酒【11】 韓国ドラマと酒【12】
韓国ドラマと酒【13】 韓国ドラマと酒【14】



お酒の描かれ方  シリーズ    下司孝之

映  画

 1    ストレイト・ストーリー
 3    酔っぱらった馬の時間
 5    ラウンド・ミッドナイト
 7    マネートレイン
 9    ラスト・サムライ
 11   ジャイアンツ
 13   トレインスポッティング
 15   たそがれ清兵衛
 17   男が女を愛する時
 19   28DAYS
 21   アンジェラの灰
 23   失われた週末
 25   マイ・ボディガード
 27   ライファーズ 終身刑を超えて
 29   チベットの女 イシの生涯
 31   デッドマン・ウォーキング
 33   ピエロの赤い鼻
 35   インサイダー
 37   スーパーサイズ・ミー
 39   16ブロックス
 41   光の方へ
 43   ジャッキーコーガン 

 2    チェンジング・レーン
 4    絵の中のぼくの村
 6    ロゼッタ
 8    マイネームイズ・ジョー
 10   シービスケット
 12   ドラッグストア・カウボーイ
 14   マスター・アンド・コマンダー
 16   死に花
 18   デイ・アフター・トゥモロー
 20   再見 また逢う日まで
 22   ペイ・フォワード
 24   ターミナル
 26   酒とバラの日々
 28   酔画仙
 30   パッチギ
 32   ウイスキー
 34   パリ、テキサス
 36   コンスタンティン
 38   スティング
 40   酔いがさめたら、うちに帰ろう
 42   フライト 
 
 
レコード  酒と泪と男と女
 
ドラマ    『朱蒙』と酒
落語     芝浜


■ 映画の中のお酒                   下司政代

「ザ・ダイバー」(Men of Honor)はロバート・デニーロ演じる最上級兵曹長ビリー・サンデーと黒人ダイバー、カール・ブラシア(これはキューバ・グッディング Jrが演じている。)の「友情」と「父と子の愛」を描いたといえる作品です。

この映画ではデニーロ演じるところのビリーはアルコールに問題があって奥さんとも上手くいかなかったり、すぐ手をだすために軍のなかでもなかなか出世しない。 
映画を見るとわかるのですがビリーの手にカールの父と同じような馬を使って耕す時にできる手綱の痕が有るんですね。

白人であっても経済的には苦しい家庭に育ったことを物語っていて、生活が想像できます。そこから抜け出すために頑張って来たんだろうなと、違うのは白人であるということだけで、カールと変わらない努力をしてきただろうということが浮かんでくる。

カールの父親は厳しいけれど優しくお酒の問題はないだろうがビリーの父親はお酒に問題があったのではないかなと見ながら思ってしまった。一生懸命努力し、人に負けまいとやってきたガンバリズムはしんどすぎてお酒に頼らずにはいられなかったのだろう。

カールの幸福は,厳しくても優しい父と優しい母親の愛情をいっぱいに受けて成長してきたことと、軍に入隊して生まれた友情と父と子の愛にも似たビリーとの出会いである。アルコール依存症のリハビリ施設のシーンがでてきます。(それは軍関係なのか、民間の施設かはわかりません。)

同じデニーロが数々の大事件を解決しTV、雑誌で取り上げられている有名なニューヨーク市の殺人課刑事を演じる「15ミニッツ」(Fifteen Minutes)。

この映画でも消防局の放火捜査官を演じるロバート・レッドフォードに見こまれ監督、脚本も俳優もこなしスピルバーグにも起用され「プライベートライアン」にも出演したエドワード・バーンズが出ているのが楽しみの一つです。 でもその話しよりも今回はやはりアルコールの話しです。

デニーロ演ずる刑事はアルコールに問題があります。紙袋に包んだボトルからしょっちゅうお酒を飲んでいます。車を運転する時も飲むシーンが有ります。ここでもガンバリズムが刑事をお酒に走らせるのだろうなと思わずにいられません。

殺人課などという緊張を強いられる仕事は飲まずにいられないのかもしれないが、その他にこの刑事がより有名に、より仕事ができるという上昇指向を強く持っているために、負荷がかかり過ぎお酒で自分を解放するしかなくなってしまっているのでしょう。

最後の作品はショーン・コネリーが小説家として演じる「小説家を見つけたら」これもニューヨークが舞台で黒人の高校生と隠遁生活を送っている老作家の友情のお話し。

高校生の父親はドラッグとお酒に問題があり行方不明、尊敬し、仲の良かった兄が戦争から戻ってきたら酒浸りになり、飲酒運転で亡くなった、その飲酒運転を止めなかったという思いを引きずり孤独な隠遁生活を送っている老作家という背景があって物語は進んでいく。スポーツも学力も優秀な高校生が引き抜かれて転校した高校というのがすごいものがあります。

全米でもハーバードへの進学率の高さを誇る私立の学校の授業の格調の高さは映画だからなのか実在するモデルがあるのかは知りませんが驚きますね。因みにハーバード大学は私学(アメリカの有名大学は私学が多い)で学費も相当高いらしいと聞いています。多分この高校生は乗り切っていけるだろうと思うのですが、ガンバリズムで突き進むとつらくなりすぎて何かに逃げたくなるのが人間ですから適当に力を抜いて楽に生きていく技術が必要です。

そういえばもう字数が終わりなので手短に書きます。好きな俳優の1人ジョニー・ディップが出演している「ショコラ」もアルコールに問題ある夫婦が描かれていますよ。

村長が小手先で解決しようとするのですがだめなのですね、やっぱりきちんとアルコールに向き合わないと解決していくことはできないということがわかります。
 
                                                

■ 「TRUE ROMANCE」という映画を見た 下司 政代 1984.2.6(88患者自治会会報)

この映画、今は若手俳優の中でも今後の活躍がますます期待される男優が主役である。

私自身の好みでは脇を固める俳優陣の方に好きな役者が沢山出演していて楽しめた。

主役の青年の父親役が「デニス・ホッパー」、彼は私達の青春の思い出の一作「イージー・ライダー」(一九六九)なども監督した才能のある人ですが、トラブル・メーカーでもあり、クスリや酒に溺れたことがある役者であることは有名である。

しかし、彼は一九八六年以後は酒も煙草も断って、役者・監督としてやっている。

その彼がこの映画で呑んだくれの過去を持ち、警察を退職して守衛になって、廃バスを利用した家に一人で住んでいる父親を演じているのが興味深い。

三年ぶりに困って父親のところに尋ねてきた息子の頼みを断って、息子に「酒をのんだくれていた頃のオヤジに何も言わずにだまってオヤジの側にいたのはオレだけだった」と責められる場面があった。

何故かこの場面で、父親としての有様は映画とはまるで違うが、正月休診の頃に奥さんと息子さん達に連れられてやってきた方の息子さんを思い出してしまった。

奥さんに「最初困って病院に行ったのはいつごろですか」と尋ねた時に「この子が生まれた頃だから二十年くらい前です」とお返事が返ってきて奥さんの隣に居られた一番下の息子さんがものを言わずに首肯かれた。

その眼が何故かとても気になった事を思いだしたのだった。
                                                

■1 ストレイト・ストーリー                        ゲシタカユキ

絶縁した兄が病を得ていると知って500キロの長丁場を小さなトラクターに乗って合いに行く物語。運転する弟はアルコール依存で身体にも障害がある。苦難の果て、目的地に近づいた頃、スタンド・バーで一杯のビールを注文して手をつける。だが奥のカウンターでコーヒーのお変わりをする人を見て、二杯めは断る。
遂に兄貴の粗末な家に到着、兄が眺める弟が乗って来たトラクター。弟のなんともいえない達成感、再び断酒への思いが沸き上がったに違いない。

     キイ・ワード「酒と家族と車」(米・1999年)                  

■2 チェンジング・レーン                         ゲシタカユキ

エリート弁護士としがない暮らしのアルコール依存症の男が接触事故を起こし、運命のレーンが狂ってしまう。両者の間にトラブルが生じて、酒にこそ手をつけないが妻との離婚は決定的となっていく。酒場で酒は飲まないもののまたもや男達ともめ事を引き起こす。面倒をみていたAAのメンバーも「お前はアル中じゃない。トラブル中毒だ」といって去っていくのだが、、。

     キイ・ワード「酒と家族と車」(米・2002年)                  

■3 酔っぱらった馬の時間                       ゲシタカユキ

産業革命下のイングランドでは労働者用の安酒ジンを飲ましながら極限の労働を強いる工場や炭坑が普通にみられた。
強い労働には更に強い酒で癒しを、という訳だ。このイラン内クルド族を描いた映画では密輸業者によって酷使される馬が出て来る。
寒さに立ち向かう為に酒を飲まされて働かされる馬、より強い寒さにたらふく酒を飲まされた馬はイラク国境で足が立たなくなる。

     キイ・ワード「酒と家族と馬」(イラン・2002年)                

■4 絵の中のぼくの村                          ゲシタカユキ

「絵の中のぼくの村」はベルリン映画祭で準グランプリである銀熊賞をいただいた東陽一監督の劇映画です。東監督は来高した折りに同じプロダクション・シグロが撮った「記録映画、もうひとつの人生、は僕がやりたかったテーマです」と話すアルコール問題にも関心を寄せる監督です。
「絵の中のぼくの村」の中でお酒は「土佐の献杯」というグロテスクで忌まわしい風習として描かれています。双子はこの場面で唯一お母さんに何かをしてあげます。双子は両脇に座って酔漢から母を守るのです。
土佐弁と自然と酔っぱらい、妖怪が死に絶えていない戦後の高知を舞台にした映画です。(シグロ作品・1996年)
                                                

■5 ラウンド・ミッドナイト                        ゲシタカユキ

巴里、1959年テナーサックス奏者デイル・ターナーの物語。
バド・バウエルの実話をデクスター・ゴードンが演じる。ゴードンは若い時にバドとも共演。また、デクスター・ゴードン自身もバドのように精神病院にこそ入らなかったが、一時は麻薬常習で体はボロボロになり、アメリカを離れ10年間コペンハーゲンで暮らした。 映画の中のバド・バウエルはバンド仲間の眼を盗んで飲むシーンが反復して続く。アルジェリア帰還兵で貧乏なフランシスが換気扇越しにデイルの演奏を聞く内にデイルを引き取り、酒を飲まさないように努力するのだが。

     キイ・ワード「酒と仲間とジャズ」(米・仏 1986年)             

■6 ロゼッタ                                ゲシタカユキ

失業率10%を越えるベルギー、トレーラーハウスでアルコール依存症の母と暮らす少女ロゼッタ。ロゼッタは自活のために闘い、友人をけ落としてまで職を得ようとする。
(ベルギー・仏合作)2000年9月高知で自主上映
                                                

■7 マネートレイン                            ゲシタカユキ
 
「マネートレイン」はインモラルとしてアメリカで上映禁止騒動が持ち上がった作品です。ところがあってはならない警官の強盗を描いているのに、一方では酒には厳しい態度が見られます。酒場の場面で、おまえには酒を売れないと、コップを割ってまでもマスターは拒絶します。(米・1996年)
                                                

■8 マイネームイズ・ジョー                       ゲシタカユキ

ジョーはアルコール依存症のイギリスの労働者、仕事よりサッカーの指導が好き。心配をした役場のソーシャル・ワーカーの女性が訪ねて来る。
ある日、おいっ子が借金をギャングに取り立てられていて、義侠心から対決する。だが、まだ乾ききっていないのに重荷を背負い込んだジョーは、現実に押しつぶされて酔っぱらしまう。そこへギャングの殺し屋がやってくる、、。(英・1998年)
                                                

■9 ラスト・サムライ                            ゲシタカユキ

銃と酒が大量生産できるようになった時代、アメリカでは南北戦争が起こり西海岸に開拓の波は到達している。そして日本に新たな市場を求めて列強が押し寄せて来る時代であった。カスター将軍の第7騎兵隊に属して英雄となったトム・クルーズは自ら関わったアメリカ原住民の虐殺に心を病み、アルコール依存症になっている。
明治政府に雇われ、日本に渡ったがサムライの捕虜となる。そこでサムライ原理主義にふれてアルコール依存症から立ち直るというお伽噺。(米・2003年)
                                                

■10 シービスケット                            ゲシタカユキ  

アメリカ大恐慌と禁酒法の時代からの物語。シービスケットという馬が挫折と失望から希望を求める民衆の期待の星となった。騎手は破産した両親から捨てられ酒と喧嘩にくれているが、足を折った馬にもチャンスをという調教師と家族を失ったオーナー、そしてシービスケットに出会って立ち直るお話。(米・2003年)

2003年の暮、高知競馬場100連敗のハルウララ人気、そして石油ショックの頃のハイセイコー人気ともに時代の背景抜きには語れない。
                                                
■11 ジャイアンツ                             ゲシタカユキ

ジェームス・デイエン出演の豪華版映画。テキサスの大牧場一家から独立、一躍石油王になって酒で滅んでいくお話。
公民権運動の先を行く映画でもあったが、「酒と家族と車(石油)」映画としてはもっとも古い部類の映画ではなかろうか。
ちなみにブッシュ・アメリカ大統領は1975年に石油発掘を試みるが失敗、テキサス州で1976年、アルコール運転で逮捕され30日間の免許停止処分を受け、後に断酒に成功している。(米・1956年)
                                                

■12 ドラッグストア・カウボーイ                    ゲシタカユキ
 
病院や薬局を襲撃しては玉石混合の薬物を手に入れるジャンキー4人組。薬害から抜け出ても自分の人生が見つからないようでは、生きている意味はない。とはいっても、 薬害はすこぶる強烈だ。「皮肉な事に」と本人はいうのだが、仲間を失い、売人から撃たれて薬を止める事になった。しかし、生き方はまだ見つかっていない。「覚醒剤やめますか、それとも人間やめますか」と二者択一をいわれても人生がなければ人間は生きてはいけない。クール。今、ダルク運営に喜びや悲しみが詰まっておればと想う。(米・1989年)
                                                

■13 トレインスポッテイング                      ゲシタカユキ
 
ドラッグストア・カウボーイと似通うある種の青春映画だ。ドラッグと仲間とセックスが表に出て、ドラック映画には酒映画よりも家族の陰が薄い。仲間を捨てて更正してゆくしかない2人の前にどんな未来が拡がっているのだろうか。もう一回、もう二回、ぐるっとまわってくるとこまでは映画の完成は待てない。(英・1996年)
                                                

■14 マスター・アンド・コマンダー                   ゲシタカユキ
 
ナポレオンとの世界市場争奪戦を繰り広げる1805年当時の英国艦。
 
軍医 「水夫に酒を飲ませないようにしてくれ」
艦長 「駄目だ、(戦艦の)200年の伝統だ。」
 
酒とはウイスキーであり、ぶどう酒は忌避される。戦闘意欲を高める為の酒、報賞としての酒は生産性を高める酒の役割と合通じる。水夫にはアイルランド系や黒人も混じり、戦争の世紀、資本主義市場原理の世紀に突入していく。(米・2003年)
                                                

■15 たそがれ清兵衛                          ゲシタカユキ

山田監督の寅さんシリーズではなく、本当に作ってみたい映画の「たそがれ清兵衛」。
清兵衛に幼い頃から好意を持っていたが禄高が違い過ぎて沿い遂げれず嫁いだ先の夫は酒乱。離婚をして清兵衛の家に立寄る。江戸時代は聞いていたよりも女性からの離縁は多かったというが、芯の強い女性。
清兵衛が愛を告白してから決闘に赴くことを大方は評価している。なかには男はいいが残される女はたまったものじゃないという意見もある。でもこの幼馴染みの場合は乗り越えていけるような気がする。(松竹・2002年)
                                                

■16 死に花                                ゲシタカユキ

お年寄りの反乱映画。死に花は高級老人マンションに入居している「今風厚生年金無情」にも無関係な勝ち組が銀行を襲うという庶民には現実感のない設定。女の尻を追い回しているくすぼけた人生から実行に至っても活き活き感がない。葬祭コンサルタントのミッキー・カーチスだけが艶々している。この映画は刑務所内でも安心の「トラ・ばか」です。
アルコールのデイケアで「死に花」を見ようということになって、酒をのみまくるというので心配で先に見ましたがそちらでもまったく害のないC級映画、酒を飲んでてトンネルは掘れないということです。(日本・2004年)
                                                

■17 男が女を愛する時                         ゲシタカユキ

10年前に封切りされた時、恋愛映画だとハンカチを握りしめて見に行った女性の断酒会員が、スクリーンで断酒会が始まって驚いてしまったという作品。デイケアでの感想は「金持ちの飲酒は複雑だ。貧乏人の飲酒は原因がはっきりしているが」とのことだ。(米・1994年)
                                                

■18 デイ・アフター・トゥモロー                     ゲシタカユキ

お酒の場面はただ一ケ所、大寒波で孤立した研究所で死を迎える所員が燃料切れにスコッチを使おうかという場面、暖房より12年物を飲むを選択。百万の飲酒口実があるとして、ことここに至ればアルコール依存症者も飲んでいい唯一の口実場面だ。
映画はイラク侵攻、「華氏911」封切りと同じ時に世に出た。環境への京都議定書も出て来るし「発展途上国の援助をアメリカが受けています」とのメキシコの米国民難民収容所からの大統領の演説もある。(米・2004年)
                                                

■19 28DAYS                              ゲシタカユキ

主人公のグエンが姉の結婚式当日、酒酔い運転で事故を起こす。判決は刑務所に行くか、28日間更正施設に入所して酒を断つ訓練をするかを選べというもの。
更正施設に入所したばかりのグエンは抜け出してボーイフレンドと酒を飲んで戻ってくるのだが、、。(米・2000年)
                                                

■20 再見 また逢う日まで                       ゲシタカユキ

我が国にはアル中はいない。 そのような公式見解がかつての社会主義国にはあった。
資本主義の残滓としての現象、それにしては旧ソ連のそれは資本主義の疎外された労働故の大勢のアルコール依存症の出現と同じ現象が労働者の多くにみられた。
中国の映画「再見」は我が国にも酒の問題があると認めた人民中国最初の映画ではないだろうか。(中・2001年)
                                                

■21 アンジェラの灰                           ゲシタカユキ

子供とお酒が出てくる映画。
1930年代、イギリスの隣にあるアイルランドでのお話。
飲んだくれの父、涙にくれる母。そしてフランク少年と幼い弟たち。
極貧の生活の中で、過酷な運命が次々と家族を襲う。それでもフランク少年はくじけず逞しく家族のために走り続ける。(米/アイルランド・1999年)
                                                

■22 ペイ・フォワード                          ゲシタカユキ

これも子供とお酒が出てくる映画。 
教師と母親、共にアルコールで苦しめられてきた二人、子供は息苦しさの中で、生きてゆく方法に行き着きます。(米・1999年)
                                                

■23 失われた週末                           ゲシタカユキ

第二次世界大戦中の製作なのに火薬の匂いがしなくて酒の匂いがする映画。

こんな経済大国と無謀な戦争をする誤りを犯した天皇制軍国主義は恐ろしい。

一本目を恋人の目に見えるところにわざと隠し、隠しおおせた二本目を飲む。

名監督ビリーワイルダーの作、アルコールで卒論を書く方は見といた方がいい。(米・1945年)

                                                

■24 ターミナル                             ゲシタカユキ

ジョン・F・ケネデイ空港。東欧の国から到着した旅客が祖国が内乱になり空港内に足留めになる。酒も暴力も出てこない地味なスピルバーグ作品。
キイワードは「待つ」というこれ以上にドラマ性はない物語。
家族とジャズ、そして労働者が登場するハリウッド映画には珍しい展開。(米・2004年)

                                                

■25 マイ・ボデイガード                        ゲシタカユキ

のっけから「戦争の犬」の悪夢を晴らすのはポケット瓶である。小さな天使と巡り会い命をかけて救出をする中で飲む場面は消えていく。
60分に一人、誘拐産業が成立している中南米、酒と暴力と家族という定番の作り方。
もう一ついえば映画のように米国人が主権国家で大暴れするのは無法だ。
(米/メキシコ・2004年)
                                                

■26 酒とバラの日々                          ゲシタカユキ

この映画は戦後期のアルコール映画の最高峰、酒害に取り組む方は見逃せません。断酒会の主催で市中映画鑑賞が行われたこともありました。
40年前、「酒とバラの日々」を見た時、なんで逃げてゆく女房を力ずくでも止めないんや、と思ったものでした。今なら、すんなり受け入れられることも、昔の日本では理解が及ばないことでした。
同名ヘンリー・マンシーニの音楽はヒットランキングに入り。(米・1963年)
                                                

■27 Lifers ライファーズ 終身刑を超えて          ゲシタカユキ

ライファーズ(終身刑を超えて)は300万をこえるアメリカの受刑者の中に10万人という終身刑、もしくは無期刑受刑者たちがいて、彼等には「更正不可能」というレッテルが張られ、忘れ去られているが彼等には酒やドラッグの問題を抱えた人が多い。
Lifersの一人レイエス・オロスコはいう、「釈放されるかどうかが問題なのではなくて、受刑者である私達は、自分の中に作り上げられた牢獄から解き放たれる必要がある。たとえ刑務所からでられなくても、変わるチャンスが与えられれば、今迄の生き方にしがみつく必要なんてなくなる。それに、何時の日か出られるかも知れないという希望があれば、頑張りとおせると思う。 (日・2004年)
                                                

■28 酔画仙                              ゲシタカユキ

「酒を愛し女を好み形式を嫌い権威を憎む。いったん絵筆を握ればその筆致は精緻を極め、完成した作品は神が宿るがごとく美を湛える。天才画家の伝説を、カメラは美しい四季の移ろいと田園風景を交えてフィルムに収め、心に残す。」だって。
酒を飲めばその日絵筆は置くしかない、芸術が優先するということと酒を飲むことの関連性は何もない。 (韓国・2004年)
                                                

■29 チベットの女 イシの生涯                  ゲシタカユキ

飲み惚けている夫を探し出す妻。やがて懐かしい人が訪ねて来る、お茶、チャーイに始まりお酒と食事で持て成す夫婦、中国から引き上げてきた在留日本人に聞いても言葉は全く分からないと言う。お酒は馬乳酒、一方で北京帰りの孫娘が飲むのはクラブでのビール。2003年のビール生産高は中国が2,510万Lと世界最大。米国、ドイツ、ブラジル、ロシア、メキシコに次いで日本は653万Lと7位。     (中国・2000年)
                                                

■30 パッチギ                             ゲシタカユキ

喧嘩をやるときの「頭突き」という朝鮮語である。時は1968年、朝鮮への帰国運動の最終期にあたる。帰国運動最初期のにぎわいは吉永・浜田主演の「キュウポラのある街」(1962)に出て来て、親父が酒に問題がある場面を見ることが出来る。
パッチギでは朝鮮ドブロクのマッコリを公園で楽しむ場面が出て来る。マッコリはビートたけしの「血と骨」(2004)でも出て来る。(日本・2005年)
                                                

■31 デッドマン・ウォーキング                  ゲシタカユキ

酒を飲み殺人を犯した凶悪犯への死刑判決と尼僧のかかわり。人を殺したから人を殺せという死刑制度の絶対矛盾。映画では人道的死刑として薬殺が「医師」の管理下に被害者の両親も立ち会いの元に行われている。日本社会の荒廃は81%と過去最大の死刑支持率にまで膨れ上がっている。しかし、死刑囚を死刑に追い込んだ被害者家族に救いはあるのだろうか。被害者家族両親の離婚率は7割にも成るという。お棺に酒をかける加害者家族。(米・1995年)
                                                

■32 ウイスキー                           ゲシタカユキ

「ハイ、チーズ」の代わりにウルグアイでは「ウイスキー」で笑顔の記念写真をとるという。日本初上映のウルグアイ映画。しがない靴下工場を営む男、ブラジルで成功した弟が帰って来るという。従業員の女性に頼んで妻のふりをしてもらうが、孤独は深まる。南米の福祉国家と呼ばれたウルグアイも市場原理の導入で貧苦層が三倍に急増、建国以来の二大政党制を撃ち破り、2005年バスケス大統領が就任、キューバと国交を結んだのでした。(ウルグアイ・2005年)
                                                

■33 ピエロの赤い鼻                        ゲシタカユキ

少年は教師の父がピエロに扮するのが大嫌い。ある日、何故父がそうするのか父の親友が教える。パルチザンの疑いで監禁された若き日の父、見張りのドイツ兵との出合いからそれは始まる。独仏で酔っ払いの語彙の多寡をいいあい、フランスの勝ちだという、ドイツに取られたアルザンス地方のぶどう酒を列車のドイツ兵に投げ付けたり、処刑におびえつつ壕の中へ差し入れのぶどう酒を呑む。ドイツ兵は「生きている限り希望がある」と励ます。そして自らの命を差し出して助命に及んだ独仏の人々。(仏・2003年)
                                                

■34 パリ、テキサス                         ゲシタカユキ

話は切ない、家族をを失い、言葉を失った男がテキサスの町「パリ」に来て弟に保護され、4年間置き去りにしていた息子と再開、親の情を取り戻す。そして、失踪した妻を探し、子供を託す。パリは宗教的禁酒の町である。(西独・仏合作・1984年)
                                                

■35 インサイダー                          ゲシタカユキ

最近の喫煙規制は一挙に進んでいる。日本での第一歩を未成年者喫煙法とすると104年もかかり、煙草栽培の開始から400年になる。
煙草産業の利権に群がる役人、企業の抵抗も強くなるが同じ依存性薬物エタノールの場合を考えるヒントとなる。日本では煙草問題より遥かに遅れて酒の問題は位置している。主として精神的依存の煙草と違い身体的依存が加わわり、否認の心理が強く受診につながらないことは難儀である。
酒害問題をレポートする学生には必見である。(米・1999年)           
                                                

■36 コンスタンティン                        ゲシタカユキ

コンスタンティン、これは究極の禁煙キャンペーン映画。
ラストで字幕と音楽が終わると墓石に愛用のライターを置くシーンが出てきて場内が明るくなりました。
観客9名、3名は席を発っていましたから、6名がラストの意味を感じることが出来ました。
煙草の方が酒より身体に悪いとアッピールしているようだが、その前にアルコール依存症の神父は亡くなっている。
病院では依存症の飲酒組平均寿命は53歳、女性は38歳です。
                                                

■37 スーパーサイズ・ミ−                     ゲシタカユキ

監督自らが被験者となってマクドナルドのみ喫食すること一ヶ月、どれだけ肉体と精神にダメージを与えるかを、追い続けた。
結果としての肥満、血糖値の異常、精神の不安定、これらを数字と画像で表現してゆく。

食べ物でアデイクションを表現した映画です。アルコール依存と同じような心身の反応が、商業化されたファーストフードでも起こる。
この世への危機感が政治ではなく、食品から入っていく象徴的な映画だ。次はアルコール版もほしい。(米・2004年)
                                                

■38 スティング                              ゲシタカユキ

映画「スティング」の一場面.ポール・ニューマンが酒場のカウンターに腰をおろしざまアイリッシュ・ウィスキーを注文します。
これは熊沢家のホーム頁にある。(米・1973年)
http://www.i-kochi.or.jp/prv/ladybird/ireland.html
                                                

■39 16ブロックス                           ゲシタカユキ

ニューヨーク市警刑事のジャック(ブルース・ウィリス)は夜勤中にも飲酒、二日酔いで勤務明けの朝、2時間後に大陪審で証言する犯罪者エディ(モス・デフ)を留置場から16ブロック離れた裁判所に護送する仕事を押し付けられる。
途中酒を買いにいったすきに悪徳警官の元仲間達に犯罪者は襲われて殺されそうになる。酒に紛らわしていた本来の任務をとりもどしなんとか裁判所にたどり着こうとする刑事ジャック。
映画では『人間は変わる』というメッセージが最後を含めて3回出てくる。これは断酒会が目標とするメッセージだ。
そしてジャックは2年の服役後誕生祝を酒抜きで迎える。机の上には念願のケーキ屋を開業したエデイから感謝のバースデイ・ケーキが乗っていた。(米・2006年)

                                                

■40 酔いがさめたら、うちに帰ろう               ゲシタカユキ

「酒害者は地獄を見たかもしれないが、家族は地獄に居た」という西原さんの知人である内科医のメリハリの利いた言葉が光っていました。
家族の、特に子供の目線でこの映画を見ると大事な気付きが得られると思います。
「これが家族かねー」という母親に、男の子の放つ「家族だよ」という言葉が救いです。
(日本
・2010年)

                                                

■41 光の方へ                           ゲシタカユキ

アルコール依存症で育児を放棄する母に代わって、まだ10台の兄弟が赤ん坊の弟に名前をつけ、見よう見まねで育てていた。
しかし弟は突然、なくなる。大人になった兄は心を開かず、弟は薬物依存に。母の死をきっかけに再会する二人。(デンマーク・2011年)

                                                

■42フライト                           

大事故を未然に防ぎ英雄になった機長に飲酒運転の疑惑が。
法廷証言の日にも大量飲酒、それを覚せい剤でしのぐのもすごい。だが、同僚に罪をかぶせて口をぬぐうことを潔しとせず、自らの飲酒を証言、息子の信頼を得たことが最大の贈り物となる。
刑務所の断酒会の仲間に語りかける、「君たちに出会ったのが幸せだ」と。訪ねてきた息子が問いかける。「あなたは何者ですか」と。     2012 アメリカ映画

                                               


43  ジャッキーコーガン                         

ブラッドピットが主演の汚れ役。 殺し屋は命乞いを好まない、合間にオバマ大統領の演説が入り、なぜか臨場感を盛り立てる。 
アルコール依存症の相棒を押し付けられ、失敗を恐れて相棒を微罪で刑務所に送り逃してやり仕事を成し遂げる。
相棒を見るブラビの顔をお見逃しなく。  2012 アメリカ映画         
                                               



レコード

 
□ 酒と泪と男と女
 
しゃがれた声の河島英五さんが2001年4月16日、肝臓疾患で亡くなった。48歳。
1976年「酒と泪と男と女」がヒット、酒への逃避的な歌詞ではあった。
 
                                                

ドラマ

□ 『朱蒙』と酒

『朱蒙』にも飲酒の場面が出てくる。目上と同席して飲む場合には顔を正面に相対せずに横を向いて手で杯を隠すように飲むのだが、高句麗建国の頃に、すでにこのような風習が出来上がっていたのだろうか。
このとき、相手に対しては無防備にならざるを得ない。
ほぼ同格と思われる二人が飲むとき、年長者の方に遠慮をしているように見られる。
女性の場合も、位を極めたヒロインの召西奴(ソソノ)が飲むとき、やはり杯を隠している。
ここで出てくる酒は白濁をしていなくて澄んでいる。
ドラマでは飲酒の場面は随所に出てくるが、歌舞は少なく建国の祝いに手を高く挙げて、単調に足を踏んでいる姿が出るのみだ。
酒好きの鉄器工房の親方が大事を前に、砦へ差し入れの酒壷を割って決意を固める場面がある。
一方、自棄酒は何回か出てくるが、王族や上層階層の場合で、一度高句麗の世継ぎになる王子と知らぬ若者が自分の出生に悩んで飲んで荒れている場面がある程度だ。
食糧難に直面した夫余(プヨ)で禁酒令がひかれる場面があるのだが、それでも袖の下を渡すと奥から食堂の親父が持ってくる場面もある。
禁酒令下、第二王子のヨンボが兄を接待して懐柔ようとして、逆に叱られる場面。赤い顔をして公席に出て顰蹙をかう場面もドラマに出てくる。

『朱蒙』のメッセージ力

ドラマ『朱蒙』で一番多用された言葉が、「ハンシマンノム」(情けない奴!)だ。
軟弱な王子から高句麗建国を成し遂げた朱蒙にヒロインから投げかけられる出会いの最初の言葉でもある。
中国と接し、地形的に厳しい環境におかれた朝鮮が国として生き残るには、外勢に頼るのではなく自ら歴史を主体的に切り開いていくしかないという、気合をかける言葉とも受け止めれる、「ハンシマンノム」だ。
ドラマは魅力的な展開で朝鮮諸部族に求心力を持たせることが、大きなメッセージになっている。
現在の韓国民にとって北朝鮮のまだ北の地で繰り広げられた父祖のドラマは興味深いことで、北朝鮮との統一に思いを馳せる仕掛けになっている。
事実、ドラマの中では食糧援助の駆け引きや新式武器の開発や導入、部族分断や諸勢力糾合の試み、拉致や捕虜交換、葬式外交、強大国家の建設などと今も同じテーマが展開されていく。
韓国で50%近い視聴率を誇り、国民的ドラマとなった『朱蒙』、81話(1話は1時間)は瞬くうちに過ぎてゆく。

                                                

落語
 
□ 芝浜
 
柳家小三治  酒好きのしがない行商の魚売りがある日古びた財布を拾います。
         家に帰って祝杯を挙げるのですがそのまま寝込んで朝になります。
         女房はそれは夢を見たんだよと言います。
         そして3年、実はと打ち明けられますが、番所から戻してもらった財布
         は隠してあったのです。それではと飲もうとしますが、いやよそう、また夢を
         になるといけねえと杯を下に置きます。
猫の災難
こさん  飲めない師匠なので呑み助の癖を観察していたらしいのです。
禁酒番屋
こさん
http://www.youtube.com/watch?v=PvwxS1OnoWc