遠隔地断酒例会の実演
平成17年5月2日
下司病院理事長 下司孝麿

断酒に成功するには、断酒例会に出席し、自己の飲酒体験を隠さずに発表すると共に、仲間の飲酒体験を熱心に聞くことである。

但し、一回では駄目である。

繰り返し出席し、脳内の飲酒快楽回路の変わりに、飲酒罪悪回路と断酒幸福回路を形成せねばならない。

一年も経つと、飲酒要求は次第に消えてゆく。

そして自己洞察が深まり、人間性を回復し、自己中心性から他人を思い遣る健全な社会人へと脱皮してゆく。

大部分の人は例会出席が五年も経てば、飲酒要求が完全に消える。

つまり治癒したのである。

しかし、社交場の理由や、もういいだろうと飲酒をすすめられることがある。

病的な強い飲酒要求は無くても飲酒すると、昔の飲酒快楽回路が他の人より復活しやすい。

そしてまた、アルコール依存症になるのである。

これは再発である。

最初の一杯に気をつけなければならない。

油断大敵である。


ところが、遠隔地であたり、仕事上や経済的、その他心理的などの理由で、例会に出席困難な方がいる。

アメリカの断酒会AAでは“lone member”(単独会員)の制度がある。

そこで私はビデオの利用を思いついた。

例会ビデオで臨場感を味わいながら、後から自分の発言をビデオに撮り、所属断酒会へ送る。

録音テープでもいい。

保健師に相談をして、可能な制度を作りたい。

ベテランの直野さん(土佐断酒会)にも相談をしたい。